「ビューティフル・マインド」という映画は、ジョン・ナッシュの半生を描いた作品です。
ジョン・ナッシュは、「ゲーム理論」の生みの親で、その功績が認められて、ノーベル経済学賞を受賞しています。
その影響は多岐に渡っており、生物学・経営学・心理学・コンピューター科学などなど分野を問いません。
「ゲーム理論」はそれだけ先進的な数学的な考え方で、応用が効くものです。
それほどまでに偉大な「ゲーム理論」を生み出したジョン・ナッシュの半生は、波乱万丈です。
この映画で初めて知ったのですが、ジョン・ナッシュは統合失調症を患っていました。
「ビューティフル・マインド」では、その統合失調症の発症から回復するまでが描かれています。
彼の闘病生活は、彼自身だけではなく、彼の周りを巻き込んでいきます。
特に、彼のパートナーであったアシリアには多くの負担がのしかかります。
この2人の闘病生活には、目を見張るものがあります。
ジョン・ナッシュは、最初自らが統合失調症にかかっているとは信じず、周りの人間と敵対してしまいます。
しかし、周りの人間の愛情に気づき、ジョン・ナッシュは自らの統合失調症に向き合い始めます。
そして、統合失調症にさいなまれながらも、彼は自らのパートーナーと向き合い、そして、人生をかけてきた数学への道に戻っていきます。
幻聴や幻覚を強調しすぎると、ホラーっぽくなってしまったり、コメディみたいになってしまいがちですが、そのあたりが非常に上手く描かれています。
ジョン・ナッシュに幻聴や幻覚がどの程度あったかはわかりませんが、この映画で描かれているような幻聴や幻覚があったとしたら、何が正しいのかの判断もできていなかったのではないでしょうか?
そういった状況から立ち直るために、ジョン・ナッシュは想像を超える努力をします。
そして、統合失調症から回復してから、再度数学の第一線で活躍するのは、すごいの一言に尽きます。
ちなみに、ジョン・ナッシュは2015年に優れた数学者に送られるアーベル賞の授賞式に向かう途中で事故死されています。
最後の最後まで、ジョン・ナッシュの人生は数奇なものでした。
ビューティフル・マインドには事故死までの過程は描かれていませんが、彼の人生をかいま見ることができます。
ビューティフル・マインドには、ジョン・ナッシュの生き様があります。